2026 年 10 月 28 日(米国時間)に Google と XREAL が、Android XR を載せた有線の XR グラス「XREAL AURA」を発売し、日本でも 11 月 2 日から注文を受け付けます。PC の画面を映す XREAL のビデオグラスとは何が違い、20 万円を超える価格でどこまでできるのかを、公式の仕様と発表をもとに表で比べます。
この記事の要点
- AURA は約 95g のグラスと、ケーブルでつなぐ 265g のコンピュートパックの組み合わせで、PC が無くても Google Play のアプリや Gemini が動きます。
- XREAL 1 Pro+ などのビデオグラスと比べると、視野角は 70° と広い一方で、最大輝度は 1050 ニトと 1 Pro+ の 1200 ニトより低めです。
- 日本では 11 月 2 日に注文受付が始まり、価格は税込 229,800 円からです。技適と Gemini の日本語対応は、10 月 30 日時点で公式には書かれていません。
XREAL AURA とは
XREAL AURA は、約 95g のグラスと 265g のコンピュートパックを USB-C ケーブルでつないで使う XR グラスです。Google の公式ブログは「Android XR 初の有線 XR グラス」と紹介していて、Qualcomm との共同開発です。
レンズは光学シースルーという方式で、透明なレンズ越しに周りを直接見られて、その上に映像が重なります。カメラで撮った景色を画面に映し直すパススルー方式ではありません。
もう一つの柱のコンピュートパックは、Android XR を動かす専用の小さな本体です。Snapdragon Reality Elite という SoC(処理を受け持つチップ)とバッテリーを収めていて、重い処理をグラスから引き受けています。部品のつながりは次の図のとおりです。
PC やゲーム機の映像をパックに入れられる一方で、パック単体でも Android XR のアプリが動くので、外の機器の映像を映すのが役目のビデオグラスとはここが大きく違います。Google のブログで紹介されている主な機能は次の表のとおりです。
| 機能 | できること |
|---|---|
| Wired Mirroring | USB-C でつないだ PC の画面をウィンドウ表示 |
| Google Play | XR 向けアプリが 150 以上(Google 発表) |
| Gemini | 見ているものや画面の内容について会話 |
| spatial view | 動画や写真、ゲームを 1 タップで 3D 化 |
| 調光 | レンズを暗くし、人が来ると透明に戻す |
| 操作 | 手の動き、音声、タッチパッド、Bluetooth 機器 |
私がいちばん実用的だと思うのは Wired Mirroring です。Google によると PC 側に何もインストールしなくてよいので、ソフトを入れにくい会社の PC でも使いやすそうなんです。ただし、映像出力に対応した USB-C ケーブルでつなぐのが条件です。Gemini については、視界を共有すると部屋や画面の注目点をハイライトできる機能が発表日から加わった、と Google は書いています。
主な仕様
グラスとコンピュートパックの寸法は、XREAL の公式の仕様表に載っていない(10 月 30 日時点)ので、大きさの図は省きます。XREAL の公式の仕様表から、グラス側の主な数字を並べると次のとおりです。
| 項目 | グラス |
|---|---|
| 方式 | 光学シースルー |
| 視野角 | 70° |
| パネル | Sony マイクロ OLED、片目 1920×1200 |
| リフレッシュレート | 最大 120Hz |
| ピーク輝度 | 最大 1050 ニト |
| 調光 | 5 段階、自動と手動 |
| カメラ | トラッキング用 2 台と RGB 1 台 |
| 重さ | 95g |
重さは XREAL の仕様表が「95 g」、Google が「under 95 grams」(95g 未満の意味)と書いています。日本語の記事では「以下」と「未満」が混ざっているので、この記事では「約 95g」と呼びます。コンピュートパックの仕様は次の表のとおりで、こちらも XREAL の仕様表によります。
| 項目 | コンピュートパック |
|---|---|
| SoC | Snapdragon Reality Elite(AI 処理 48 TOPS) |
| メモリとストレージ | 12GB/256GB か 16GB/512GB |
| バッテリー | 4,455mAh(34.84Wh) |
| 冷却 | ファン |
| 無線 | Wi-Fi 6/6E、Bluetooth 5.3 |
| USB-C | 2 つ(グラス用、充電と映像入力用) |
| 重さ | 265g |
ファンを積んでいるものの、音や熱の数字は公開されていません。バッテリーの容量は 4,455mAh(34.84Wh)と公表されていますが、駆動時間の数字は公式ページに書かれていません(10 月 30 日時点)。
ビデオグラスとの比較
XREAL の既存のビデオグラスと並べると、次のようになります。XREAL 1 Pro+ の視野角(57°)と最大輝度(1200 ニト)は、XREAL の公式ページで確かめました。価格は公式ページに書かれていないので、この表では「未確認」としています。
| 項目 | AURA | 1 Pro+ |
|---|---|---|
| 種類 | Android XR グラス | ビデオグラス |
| 映すもの | パックのアプリと外部映像 | 外部機器の映像 |
| 視野角 | 70° | 57° |
| 最大輝度 | 1050 ニト | 1200 ニト |
| 3D 変換 | spatial view | REAL 3D 最大 60fps |
| 米国価格 | $1,279 から | 未確認 |
| 日本価格 | 229,800 円から | 未確認 |
視野角は AURA が 13 度広いのに対し、最大輝度は 1 Pro+ より低いので、どちらが見やすいかは数字だけでは決められません。ビデオグラスは AURA より価格を抑えた製品が中心ですが、1 Pro+ の価格は公式では確かめられていません。PC やゲーム機の映像を映すだけなら、ビデオグラスで足りる人も多いはずです。
日本で買えるか
日本では XREAL の日本ストア(jp.shop.xreal.com)と xreal.com/jp/aura で注文を受け付けます。出荷は Google のブログと Impress Watch が 11 月中旬の予定とし、日本ストアの FAQ は「年内の出荷を予定」と書いています。日本の一般向け注文は、Google の公式ブログによると 11 月 2 日からです。XREAL の訂正版プレスリリースは日本も「今日から」と読める書き方ですが、10 月 30 日時点の日本ストアはパス購入者向けの支払いページでした。
価格は構成ごとに次のとおりで、米国はドル、日本は公式の円価格のまま載せています。
| 構成 | 米国 通常 | 米国 12 月まで | 日本(税込) |
|---|---|---|---|
| 12GB/256GB | $1,279 | $1,099 | 229,800 円 |
| 16GB/512GB | $1,499 | $1,299 | 269,800 円 |
年末までの特別価格($1,099 / $1,299)はドルの価格で、日本円の価格にあたるかは公式に書かれていません。GIGAZINE も「不明」としています。購入できるのは 18 歳以上で、日本ストアには 30 日間の返品保証と 1 年保証、送料無料の表示があります。Amazon やビックカメラ、ヨドバシカメラのリンクは日本ストアに載っていますが、これは XREAL 製品全般の購入先の案内です。AURA を扱うとは書かれていないので、公式ストアでの購入を前提に考えてください。
技適については、XREAL の公式ページ(日本語版と日本ストア)に記載がありません(10 月 30 日時点)。取っていないという意味ではなく、公式には書かれていないということです。AURA は Wi-Fi と Bluetooth を積んでいるので、技適の無い無線機器を日本で使うと電波法に触れるおそれがあります。届いた実機の技適マークと、総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で確かめてください。
AURA 上の Gemini について、Google のブログの脚注は、日本を含む 4 か国で提供され、対応アカウントが必要で 18 歳以上が対象と書いています。日本語で使えるかと、どのプランが要るかは、公式に書かれていません(10 月 30 日時点)。日本語の画面表示と音声入力の対応も、公式に書かれていません(10 月 30 日時点)。
使いどころと注意点
AURA が向いているのは、外出先でノート PC の画面を大きく広げたい人や、PC を持たずに動画やアプリを使いたい人だと私は考えています。PC の映像を映すだけでなく、パック単体で Android XR のアプリや Gemini を使いたいかどうかが、ビデオグラスと選び分ける分かれ目になりそうです。
買う前に気を付けたいのは、発売時点でそろっていない機能があることです。Google フォトの空間ギャラリーは「今年中」の提供予定で、Google のブログに出てくる Peacock は米国だけのサービスです。日本で使えるアプリやサービスの範囲は公式資料に無いので、目当てのアプリがあるなら注文前に確かめておきたいところです。
明るい場所での見え方は、公式の数字が最大輝度までしかなく、実機のレビューを待って判断するのが無難です。目の間隔に合わせて M と L の 2 サイズがあり、度付きレンズはフレームを内蔵のスロットに挿して使う仕組みなので、サイズ選びも注文前に済ませておくと安心です。
もっと知りたい人へ
コンピュートパックの端子
XREAL の仕様表によると、USB-C の 1 つ目はグラス用で、5V/2A 最大、USB 3.1、ADB に対応します。2 つ目は充電と映像入力用で、5〜19V・3A、最大 57W、QC3.0 と PD3.0(PPS)、DP Alt モードに対応します。指紋ボタンは、画面のロックや電源、生体認証、アプリの購入と支払いに使います。
細かい仕様
光学系は X Prism で、PPD(1 度あたりの画素数)は 32 です。パネルは 100% sRGB、ΔE<3 で個体ごとに校正されています。グラスには XREAL X1S という空間コプロセッサがあり、頭の動きから表示までの遅れは 3ms と XREAL は主張しています(測定条件の記載はありません)。音は Bose による EQ チューニングで、マイクは 4 つ、RGB カメラにはプライバシー LED が付きます。目の間隔は M が 60–66mm、L が 66–72mm です。測位は GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou と Wi-Fi に対応し、ストレージは UFS 4.0 です。
認証と同梱品
XREAL の訂正版プレスリリースによると、TÜV Rheinland の認証を 5 つ取っています(Eye Comfort 5 Star、High Visibility、Low Blue Light、Flicker Free、Color Accuracy)。日本ストアの FAQ によると、同梱品はグラス、コンピュートパック、携帯用ケース、USB-C ケーブル、複数サイズのノーズパッド、度付きレンズ用フレームです。最新の内容は仕様欄で確かめるよう書かれています。
パス購入者の出荷順と差額返金
日本ストアでは発売前に予約パスが売られていて、モデル選びと残額の支払いを 10 月 31 日までに終えた人が優先出荷の対象です。第一優先が「初回限定パス」、第二優先が「予約パス」と「特典プログラム」で、優先出荷は日付の保証ではありません。予約パスは 2027 年 4 月 28 日までに支払わないと自動で全額返金されます。米国では、特別価格の前に買った人にも通常価格との差額(12GB は $180、16GB は $200)を返金すると XREAL は書いています。